一般的に牛肉は、鶏肉や豚肉よりも高い値段で売られていますし、私たちはそれを当たり前だと受け入れていますよね。
そこで質問なのですが、牛肉の値段が高い理由をご存知ですか?
「美味しいから」
「人気があるから」
このような理由は間違いではないのかもしれませんが、そもそもの理由としては間違いです。
では、牛肉の値段が高い理由はどのような部分にあるのでしょうか?
この記事では牛肉の値段が高い理由について詳しくご紹介していきます。
牛肉の値段が高い最大の理由は飼育期間の長さ
牛肉が鶏肉や豚肉などよりも値段が高い理由は、ウシの飼育期間がニワトリやブタに比べてお肉として出荷されるまでの飼育期間が長いからです。
一般的な出荷されるまでの飼育期間を比べてみると下記のようになります。
・ウシの飼育期間:2年〜2年半ほど
・ニワトリの飼育期間:30〜40日ほど(若鶏としての出荷)
・ブタの飼育期間:6ヶ月ほど
単純に出荷までの飼育期間が長いとそれだけのコストがかかることはなんとなくイメージができますが、この飼育期間の長さによって値段が高くなる様々な理由があるのです。
飼育期間が長いと牛肉の値段が高くなる4つの理由
ウシの出荷までの飼育期間が長いことによって、牛肉の値段が高くなる大きな理由は下記の4つです。
・エサを与える期間と量が多い
・飼育期間に応じた人件費がかかる
・カラダの大きさに対してお肉が少ない
・出産頻度が少ない
それぞれの理由について詳しくご紹介していきます。
ニワトリやブタに比べてウシは身体も大きいですし飼育期間も長いので、それだけウシが食べるエサの量が多くなりエサ代がかかるのです。
1kgあたりのお肉にかかる餌の量を比べてみると下記の通りとなります。
・ウシ1kgあたりの餌の量:10kgほど
・ニワトリ1kgあたりの餌の量:2.2kgほど
・ブタ1kgあたりの餌の量:3kgほど
このように、お肉1kgあたりの値段だけでもニワトリやウシに比べて3倍ほどのエサの量を消費しているのです。
また、ウシ1頭が1日に食べる餌の量は30kgになることもあり、ウシの飼育にどれだけのエサの量がかかっているのかは想像するのも難しいほど多いものとなります。
動物の飼育には、とうぜん多くの人の管理が必要となりますので、それだけ人件費がかかるのです。
ウシの飼育に関わる人の仕事は下記のようなものがあります。
・エサやウシを運搬する人
・ウシの爪をケアする人
・飼育を担当する人
・ヒトを作っている人
上記のように様々な人たちが関わっており、ウシ1頭あたりにすると10人ほどの人が関わっていると言われており、それだけの人件費がかかっているのです。
ウシは身体が大きいのでそれだけ多くのお肉が取れそうですが、実はウシの身体の半分以上は骨のように硬い部分となっておりお肉としては食べることができないのです。
さらに、その中でも私たちの食卓に届く精肉の部分は約33%ほどと言われており、700kgのウシから生まれる精肉は231kgとなります。
ニワトリの場合は約53%が精肉となり、豚の場合は43%が精肉になりますので、ウシの精肉の部分がどれだけ少ないのかが分かるはずです。
ウシの出産は1回につき1頭で、頻度は1年に回です。
では、ニワトリとブタの出産頻度と比べてみましょう。
ニワトリの出産頻度:年間300匹
ブタの出産頻度:1度に10頭ほど、年間20〜30頭
比べてみるとウシの出産頻度がどれだけ少ないのかは一目瞭然です。
このように、大量に飼育ができないことも牛肉の値段が高いことにつながります。
ブランド牛はさらに値段が高い
日本には、下記のように様々なブランド牛が存在します。
・仙台牛
・松坂牛
・神戸ビーフ
・宮崎牛
・博多和牛
これらのブランド牛と呼ばれるお肉は、通常の牛肉よりも値段の高い高級品として知られています。
これらのブランド牛の値段が高い理由としては、上質な肉質にするために厳選されたエサを使用していることや、ストレスを与えないように個室で飼育したりと、通常のウシよりも手厚く育てられているからなのです。
また、特産松坂牛のように飼育期間が通常のウシよりも長いなど、個体によっても飼育期間が異なる場合もあり、それだけ飼育コストがかかってしまいます。
まとめ
この記事では、牛肉の値段が高い理由についてご紹介していきました。
牛肉の値段が高い理由はいくつかありますが、やはり最大の理由はお肉として出荷されるまでにかかる飼育期間の長さです。
ただ、手間暇がかかるだけ美味しいお肉が出来上がりますし、農家さんの愛情を感じることができます。
普段口にしている牛肉を作るのがどれだけ大変なことなのかを理解して口にすることで、より牛肉にありがたみを感じて食べることができるのではないでしょうか。