「アメリカのお肉はなんだか安くて危険そう」
「アメリカのお肉はなんでこんなに安いの?」
このように、普段スーパーで目にする安いお肉(特に牛肉)がアメリカ産で、国産のお肉に比べて値段が安いので、理由はないけれどなんとなく食べて大丈夫なのかと不安に思ったことはありませんか?
実は、アメリカのお肉が安いのには、日本で行われていない生産方法や使用されていないホルモン投与などが大きな理由となっているのです。
そこでこの記事では、アメリカからの輸入肉が安い理由と安全性についてご紹介していきます。
なぜアメリカのお肉は安く生産できているのかを知ることで、正しい知識で食べる食べないの選択を取ることができるはずですので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
アメリカからの輸入肉が安い5つの理由
アメリカからの輸入肉の値段が安い理由は下記の5つです。
・飼育コストが削減されている
・遺伝子組み換えのエサを使用している
・肉の加工にかかる費用が安い
・ホルモン投与で飼育期間を短くしている
・人件費を削減している
それぞれの理由について詳しくご紹介していきます。
1.飼育コストが削減されている
アメリカでお肉を生産する農場にどんなイメージがありますか?
ゆったりとした草原のなかでたくさんのウシが歩いて育てられるイメージを持っているという方も多いのではないでしょうか。
しかし、アメリカでは小さな牛舎の隅から隅までにぎっしりとウシが詰め込まれている状態で飼育されているのです。
このように狭い範囲で飼育することで無駄な人件費や土地代をかけることなく飼育ができるようになっています。
2.遺伝子組み換えのエサを使用している
ウシは本来、草をエサにして成長していく動物ですが、アメリカで食肉用に育てられているウシにエサとして草を与えることはまずありません。
草の代わりには、遺伝子組み換えがされているトウモロコシ・小麦・大豆などの穀物が与えられているのです。
ウシはそもそも草だけを食べていても大きく育ちますが、これをさらに大きく、そして少しでも短期間で成長させるために遺伝子組み替えがされている穀物が採用されています。
さらに、これらに加えて成長を促すために『肥育ホルモン』と呼ばれる成長ホルモンが与えられてもいるのです。
3.肉の加工にかかる費用が安い
日本で生産されているお肉は、農家の方が愛情を込めて生産されているというイメージがあり、実際も生産者の方が顔を出して安心して食べることのできるお肉が多く流通していますが、アメリカでの生産はまるで真逆なのです。
アメリカでは、近代的な設備の工場で食肉が生産されており、無理にでも子牛を産ませ、狭い牛舎でエサを与えられて育てられるといったように、作業化された工程の中でウシが育てられます。
4.ワクチン投与でロスを減らしている
アメリカでの飼育環境は決してストレスのない環境とは言えません。
ですから当然、ウシがストレスで病気になってしまうことも多く考えられます。
しかし、ストレスでウシを処分してしまうと無駄なコストが発生してしまうので、これを無くすためにワクチンを打って予防しているのです。
5.人件費を削減している
ここまでご紹介したように、近代的な設備や狭い牛舎で多くのウシを育てていることからも人件費は削減されているのですが、さらにメキシコからの不法移民を安い賃金で雇うことで人件費を削減していると言われています。
アメリカからの輸入肉の安全性は?
アメリカからの輸入牛は安くて味も美味しいので、スーパーなどで購入して食べている方も多いと思いますが、やはりその安全性は気になる部分だと思います。
特に、エサとして使用されている遺伝子組み換えをした穀物や肥育ホルモンの影響は一体どうなのでしょうか?
結論、どちらについても問題ないとされています。
特に、肥育ホルモンについては、WHO(世界保健機関)は下記のように公言しています。
”加工の時点で食肉に残る肥育ホルモン剤の人体に悪影響を及ぼす可能性は低い”
とはいえ、日本では肥育ホルモンの使用は許可されておらず、輸入肉であれば使用が許可されている状態です。
つまり、アメリカの食肉を口にしたとしても人体に悪影響を及ぼす可能性は極めて低いですが、可能性を限りなく減らすのであれば、日本産の食肉を食べるようにしたほうがより安全性は高いと言えます。
まとめ
この記事では、アメリカからの輸入肉について値段が安い理由とその安全性についてご紹介していきました。
やはり、安いお肉には何かしらの理由があることは否めません。
ただ、これは決して悪いものではなく、知っていると少しイヤな感じがする程度のものばかりです。
日ごろから何気なく目にしているアメリカ産の食肉がどのような工程で、どのようにして作られているのかを知ることはとても大切なことだと言えるでしょう。