「大手牛丼チェーンが揃って値上げ」
「大手ステーキチェーンが価格値上げ」
コロナ禍になってからこのようなニュースを見ることが多くなったはずです。
現在、コロナ禍や世界情勢の影響から世界的に見ても牛肉の価格が高騰しており、中でも日本においてはさまざまな原因から牛肉の価格が高騰しています。
このように牛肉の価格が高騰していることが『ミートショック』と呼ばれており、現状大きな問題として問題視されているのです。
そこでこの記事では日本における牛肉の価格が高騰していることについて下記のことをご紹介していきます。
・牛肉の価格が高騰している理由
・牛肉の需要と供給について
・ミートショックはいつ落ち着くのか?
それでは順番に見ていきましょう!
牛肉の価格が高騰している理由は輸入先によって異なる
日本において輸入牛の85%以上はオーストラリアとアメリカに依存していますが、現在日本で牛肉の価格が高騰している『ミートショック』では、これらの輸入先の問題が大きく影響しているのです。
そして、この2つの輸入先にはそれぞれ違った問題があります。
それでは、それぞれの輸入先にある問題について見ていきましょう。
オーストラリアからの輸入牛の値段が高騰している理由
オーストラリアから輸入している牛肉の価格が高騰しているのは、オーストラリアで2018年〜2019年にかけて発生した干ばつによる影響で肉牛の飼育頭数の減少が大きな理由となっているのです。
オーストラリアの飼育頭数の変動について農畜産業振興機構はこのように発表しています。
”2020年の牛飼養頭数は、干ばつ前のピークであった2013年よりも16%少ない2460万頭と、過去20年間で最も少なくなることが見込まれている。”
アメリカからの輸入牛の価格が高騰している理由
アメリカからの輸入牛の価格が高騰している理由は下記の3つです。
・人手不足
・輸送費の高騰
・飼料価格の高騰
それぞれの理由について詳しくご紹介していきます。
牛肉の価格が高騰している理由として、コロナ禍における人手不足が挙げられます。
というもの、アメリカでの肉牛生産場においての労働者の多くはアメリカ国籍以外であることから、新型コロナウイルスによる行動制限から人手不足が発生しているのです。
現在世界的に起こっている原油価格の高騰による、輸送にかかる費用の上昇も輸入牛の価格高騰に繋がっているのです。
海上運賃の上昇はもちろん、コンテナ・トラック関連の労働者不足なども併せて輸送費が上昇していると見られています。
アメリカでの肉牛に与える主なエサとして与えられているのがトウモロコシですが、近年このトウモロコシの価格が高騰しているのです。
世界的に見てもトウモロコシを含む穀物全般の価格が過去最高の水準まで上昇しており、中でもトウモロコシの価格は2017年と比べると2021年のトウモロコシの価格は2倍ほどまで跳ね上がっています。
さらに、トウモロコシの輸出量が世界4位であるウクライナからの出荷が停止していることも大きな影響を与えているのです。
中国に対する買い負けも起きている
ここまでご紹介したように、肉牛を育てることに関するコストの問題や肉牛の飼育頭数の減少が牛肉の高騰に繋がっていますが、共通して中国に対する買い負けも大きな要因となっているのです。
世界的な需要に対して牛肉の供給が間に合っていないことは明らかですが、中でも近年牛肉を食べることが日常的になった中国の需要がとても高いものとなっています。
そんな中で、アメリカとオーストラリアの供給が中国に傾いているのです。
その理由としては、日本よりも中国が高い価格で肉牛を1頭買いしているということがあります。
日本は、牛肉を部位ごとに購入することや価格が下がるまで待つ傾向にあったため、中国に供給が傾くのも仕方のないことと言えるはずです。
牛肉の高騰はいつ落ち着くのか
今回の『ミートショック』以前にも、たびたび牛肉の価格が高騰することはありましたが、どれも短期的なものでした。
しかし、今回は過去になかったような新型コロナウイルスや世界情勢の影響から、かなり長引くと予想されています。
中でも原油価格が上昇したことによる近代農業や畜産業への影響はかなり大きく、原油価格が高止まりしてしまうと、牛肉も同じく高止まりしてしまう可能性も非常に高いのです。
まとめ
この記事では牛肉の価格が高騰している理由や今後の動向などについてご紹介していきました。
今回の『ミートショック』は、前代未聞のことが多すぎるので、正直どのように価格が推移していくのかは非常に予想がしづらいとされています。
ただ、状況が状況ですので、短期間で牛肉の価格が落ち着くことは考えにくいです。
今後ますます牛肉が高級品になる日は近いのかもしれません。